「清張さんの道を歩く会」(略称:歩く会)活動の歩み

● 設立経緯 ●


▼「昭和の文豪」「国民作家」と呼ばれた松本清張さんの「ふるさと」は小倉です。清張さんは、敗戦直後の8年間、家族と一緒に現在の北九州市小倉北区≪黒住町≫(当時の黒原営団)に住んでいました。その頃、執筆活動を始め、直木賞候補作の「西郷札」や芥川賞受賞作の「或る『小倉日記』伝」を発表しました。黒住町は、いわば「清張文学の原点」「清張文学発祥の地」です。
▼ところが、平成27年8月、黒住町の≪清張旧居≫が解体され、もともと地元には記念碑や文学忌などなかったので、当時の清張さんや、ご家族の方たちの面影は、交友のあった僅かの人たちの記憶の中にあるだけになり、住んでいたことさえ知らない人たちが多くなってきました。このままでは、清張さんが黒住町に住んでいたことも忘れられてしまいます。
▼そこで、黒住町に「清張さん」の名前を残す活動を始めることにしました。旧居再興を希望する声もありましたが、膨大な費用がかかり今の時代に現実的でありません。そこで、地元の有志を中心に、ほとんどお金をかけない「リユース(再利用)方式」で、この地域の特色「清張さんの文学のふるさと」を「特色ある地域づくり」に生かすことにし、運営母体として「清張さんの道を歩く会」(略称=歩く会)を起ち上げました。会員は平成30年4月1日現在34名です。


● 活動状況 ●


【しのぶ会の開催】

▼平成27年8月4日、清張さんの命日に、地元の黒住町公民館で、初め ての足立山麓の松本清張さんを『しのぶ会』」(地元清張忌を開催しました。

▼「しのぶ会」 は毎年=平成27年、28年、29年=継続開催しています。

【公園名称の変更】

▼平成27年10月、黒住町内の街区公園黒住公園(約3,200㎡)をろずみ清張公園に改称することを黒住町内5自治会に提案。

▼清張さんの名前使用につい ては、北九州市立松本清張記念館を通じて松本家へお願いし、書面で承諾をいただきました。
▼平成28年2月4日、黒住町自治会住民606名の署名を集めて北九州市へ改称を要望。

▼ 同年4月1日付で「くろずみ清張公園」に改称。

▼同年4月6日、除幕式を行ない、清張さん作 詞の「足立中学校」校歌を、同校17名の生徒が披露しました。


【清張文庫の開設】

▼校区内で清張作品を誰でも気軽に読めるよう「清張文庫」の開設を「足原校区まちづくり協議会」へ要望し、同会が運営を決定。

▼「清張」さんの名前使用についても、公園同様、松本家から書面で承諾をいただきまた。▼本は主に北九州市内住民の方の協力で 1,200冊の献本がありました。

▼平成29年8月4日、第3回「しのぶ会」の日に、「足原市民センター」内に、1,000冊規模のあしはら清張文庫を開設しました。

▼さらに、同年11月26日、地元「霧丘中学校」内に200冊規模のきりがおか清張文庫を開設。同一校区内に2つの清張文庫ができました。

▼より充実した文庫にするため献本活動は継続していますので、皆様のご協力をお願い申し上げます。

【紙芝居の上演】

▼松本清張さんの顕彰活動の一環として、地域調べサークル「菊ヶ丘『語ろう 会』」(小倉北区下富野)制作の記録型紙芝居「清張さんの歩いた道」を上演するため「歩く会」 の黒住町在住の女性会員11名で「くろずみ一座」を結成しました。

▼同紙芝居の上演は地元で の清張作品普及活動の有効な手段と考えています。清張作品がもっと多く読まれ、地元出身の 「松本清張さん」を知らない人たちや若い世代の人たちが、清張作品に接するきっかけになれ ばよいと思っています。


事務局住所
〒802-0056 北九州市 小倉北区 黒住町 14-5 小松康希(こうき)方
【電話】 固定=093-922-8618 携帯=090-3416-9055  

PCメール】kkomatsu@lep.bbiq.jp

(平成30年4月1日 清張さんの道を歩く会)