「清張さんの道を歩く会」≪会報【No.3】≫

☆ 改称「くろずみ清張公園」除幕式 ☆

 

 平成28(2016)年4月1日、北九州市小倉北区黒住町の真ん中にある「黒住公園」が、「くろずみ清張公園」と名称が変わりました。お知らせしました通り、地元の町内自治会と「清張さんの道を歩く会」が、新たな<地域づくり>として取り組み、松本家、小倉北区役所、清張記念館、足原校区自治連合会の皆さんのご理解、ご協力を得て、スム-ズに改称手続きが進み、「清張さんの記念公園」を‶開園″することが出来ました。多くの方々のご支援に心よりお礼を申し上げます。
 学校が春休みの4月6日、町内自治会と「歩く会」はささやかなものではありましたが、新しい銘板2つ(円形と長方形)の除幕式を公園内で行ない、町内や近隣校区から約200人が参加なさいました。
 陽光うららかな日和に恵まれ、「歩く会」田中聖子さんが司会を担当して式典が始まりました。
 「校区自治連合会長」で「まちづくり協議会会長」の「中村義雄さん」が「北九州市が文化のまちづくりに努めだしたとき、足原校区黒住町の人たちは先駆けるように、文豪の名前を冠した公園誕生を実現しました。とても誇らしく思います。次はだれもが作品を手に取れる『清張文庫』を開設しましょう」と、
 続いて「校区社会福祉協議会会長」の「金子輝子さん」が「きょうは桜も満開で清張さんのお好きな白い花も咲いています。清張さんがいちばん喜んでいらっしゃることでしょう。めがねの奥から笑っているお顔が目に浮かびます。よくここまで漕ぎつけられたものですね。『歩く会』の皆さんのご尽力は大変なものだったと思います。たくさんの方が公園名の改称に快く署名をなさいましたが、住民が力を合わせることって、素晴らしいですね。これからもみんなで人にやさしい素敵な足原校区をつくっていきましょう」と、それぞれお祝いの言葉を述べられました。


★★除幕式風景 ❶

 除幕の方法は、形式にとらわれず、心のこもったセレモニーにするため「感謝のことば」を合図にしました。選んだのは―― 「清張さんありがとう たくさんの作品をありがとう」―― 銘板を覆った白布に、この「ことば」を朱色と黒色の墨で書き、全員で唱和したあとにパッと両側から紐(ひも)を引くことにしたのです。「清張さんが書いた1,000冊近くの作品が、どんなに多くの市民を文学の世界へ誘い、ごく普通の人たちの心を癒し、人生を豊かにしてくださったことでしょう。清張さんありがとう」との意味を込めました。

★★除幕式風景 ❷

 東側の円形銘板は、中村さん、金子さん、住民代表の山下美和子さん、「歩く会」会員の大坪幸子さん」の4人が除幕しました。

★★除幕式風景 ❸

 西側の長方形の銘板は8人の小学生、岡直希さん、岡野隆輝さん、岡野心愛さん、島田心花さん、土井しずかさん、久部翔梧さん、松尾哉翔さん、松田大毅さんが息を合わせて上手に紐を引き、2つの幕がパッと分かれて、見事に新しい銘板が現れました。
 続いて、「北九州市立・足立中学校」の13名の在校生と4名の卒業生の皆さんが、清張さん作詞の校歌を、最初に朗読、次にトランペット演奏、最後に合唱で披露してくださいました。「渡部裕介先生」のピアノ演奏で、合唱なさったのは、石鉢歩美さん、小田歩さん、甲斐千尋さん、境目裕利さん(校歌1番朗読)、里見雛華さん、白壁美和さん、末咲月さん(校歌3番朗読)、中山里彩さん、橋本桃さん(校歌2番朗読)、藤野梨々花さん(トランペットで校歌演奏)、松尾玲奈さん、松崎幸来さん、安田未来さん=以上在校生=、荒木寧々さん、日置美緒さん、向江千晶さん、山手陽奈さん=以上卒業生=の17名でした。
 校歌は、清張さんの長女淑子さんが在学中に、校長先生が依頼して作詞されました。当時、黒住町は足立中学の校区でした。除幕式に参加した黒住町にお住まいで同校を卒業した年配の方が、校歌を感慨深く聞いておられたのが印象的でした。除幕式にぴったりの校歌披露に、大空の清張さんも大喜びなさったのではないでしょうか。
 小学生による除幕と中学生による校歌披露は、もちろん「市民の宝」を若い世代へバトンタッチする試みの第1歩です。いろんな機会をとらえて、清張さんの人となり、作品を30代、20代、10代へ知らせていきたいものです。「歩く会」女性会員は手作りの紅白の餅をたくさん用意し、参加者をもてなしました。NHKや朝日、毎日、読売、西日本新聞、小倉タイムスが報じてくださいました。感謝申し上げます。


☆ 参加者の感想です ☆


板橋憲治さん(黒住町 67歳):郷土の名士の名前が公園に付きましたね。これで清張さんが黒住町に住んでいたと、皆さんに分かってもらえ、語り継がれていくでしょう。言うことなしです。本当に良かった。
大石広幸さん(小倉南区 67歳):小さい頃から17歳まで黒住町に住みました。ここは、よく遊んだ親しみのある公園です。除幕式に参加したお蔭で、野天の映画会、ラジオ体操、盆踊りなど半世紀以上前の公園での懐かしい出来事を思い出しました。
大坪幸子さん(黒住町 71歳):これで名前が残りますので、清張さんが黒住町に住んでいたということを分かってもらえます。とてもうれしいです。
黒岩京子さん(熊本町=黒住町の北側に隣接= 67歳):私は昭和39年に足立中学校を卒業しました。数十年ぶりに校歌を聞き、懐かしくて感動しました。除幕式によくぞ校歌披露を思いついてくださいました。とてもよい除幕式でした。
田中悦子さん(黒住町 69歳):素晴らしい除幕式でした。お年寄りから子供さんまで参加した式典はアットホームな温もりがありました。参加してよかったです。
田中聖子さん(黒住町 72歳):黒住町が、『清張さんの家族のふるさと』と皆さんに知っていただき公園に足を運んでくださることを望んでいます。
●山本誠一さん(戸畑区 67歳):高校の時までは黒住町にいましたので、折にふれ、有名な清張さんがこの町に住んでいたという認識はありました。何年か前に旧宅が無くなったので、さみしい気持ちがしていました。今度、公園に清張さんの名前がついたのは大変良いことだと思っています。

☆ 古賀久子さん(黒住町 82歳)から投稿してくださいました。以下全文です☆

 4月6日、『くろずみ清張公園』の除幕式が、澄み切った青空の下、桜の花も美しいこの日に迎えられたことを、町民の1人として、とてもうれしく誇りに思っております。
▼この日を迎えるまでの有志の方々の御苦労を思うと感謝の一言につきません。黒住町の多くの方々の賛同と署名を得るために歩き廻り、多数の協力者・賛同者で市役所とかけ合いながら、幾多の困難をのりこえ、この日を迎えることが出来て、このよろこびが本当に夢の様に思います。
▼公園の名前に「清張さん」のお名前を付けたことは、旧宅――私も清張さんの旧宅をと訪ねて来られた方々を何回も案内しました――が無くなった現在にふさわしい発想と思いましたが、実際にできるだろうかと半信半疑でした。ところが、清張さんがこの地に居住していらしたことを、言わず語らず後世に伝えられる証として、立派なことを成し遂げて下さった数多くの有志の方々、本当に有難うございました。
▼これからはその名にふさわしい私達の公園としてより親しみ、そして有名な清張さんの名前に恥じない立派な公園として守っていく責任も生じたような気がしております。
▼最近、清張さんの多くの作品がドラマ化され、テレビ゙でも放映されていますが、同じ町に居住していたというだけで不思議な親近感が湧くものですね。いま改めて清張さんの偉業を称え黒住町の誇りにしたいと思います。有志の方々に感謝感激の気持ちでいっぱいです。

☆ 「あしはら清張文庫」について ☆


 「あしはら清張文庫」は、黒住町も含まれる足原校区内の適当な場所に平成29年夏、第3回「しのぶ会」までに設立する予定です。蔵書はすべて「献本」でそろえます。
 献本という方法を選択したのは「『大ベストセラー作家』の清張さんの本だったら、ファンのみなさんの家に、どっさり眠っているはずなので文庫づくりは可能。清張さんだから出来ること」と考えたからです。4月25日現在75名の方から947冊が寄せられています。第1次目標の1,000冊に迫っています。会員のみなさんのご協力を切にお願い申し上げます。

献本や「歩く会」に関するご連絡、お問い合わせは下記へお願いします。

〒802-0056 北九州市 小倉北区 黒住町 13-16 小松 康希
電話=【携帯】090-3416-9055 【固定】093-922-8618
PCメール=520914komatsukohki@jcom.zaq.ne.jp

(平成28年4月30日 小松康希)